大茶盛は再三の災害等で衰退していた寺を鎌倉時代に復興させた叡尊(えいそん)上人が、およそ800年前に八幡神社に献茶した余服を民衆に振る舞ったことに由来した茶儀。戒律復興をめざした叡尊上人が不飲酒戒(ふおんじゅかい)の実践として、酒盛(さかもり)の代わりに茶盛としたことと、民衆救済の一貫として当時は高価な薬と認識されていた茶を民衆に施すという医療・福祉の実践という二つの意義によって、八百年近く連綿と受け継がれてきたこの大茶盛式を体験していただきます。大茶盛は同じ一つの大きな器でたてた同じ味のお茶を、そこに集まった人々が助け合いながら同じ茶碗から廻し呑んで、和み合い結束を深めたとした戒律の本質的意義である「一味和合」の理念を具現化した宗教的茶儀です。その後は本堂を僧侶のご案内により拝観していただきます。