薬師寺国宝東塔の覆屋、ただいま解体中!

来年2020年4月22日から国宝東塔大修理落慶法要がおこなわれる奈良・薬師寺の国宝東塔。現在、その修理修復工事を守ってきた覆屋が着々と解体、はずされてきています。
大きなクレーンが境内に2台入り、毎日上から下へと鉄柱などがはずされ運ばれ、水煙が見え始めました。2日後に伺った時には一番上の屋根が見え、観測4日目には上から3枚の屋根と、あの美しい姿を再び見ることに・・・。

まもなく全容を見ることができる東塔ですが、屋根が6つあり、そのうちの下から1,3,5番目の小さい屋根は裳階(もこし)といわれる風雨よけの為の飾り屋根となっており、実際に内部は三層が重なった、三重塔なのです。
この屋根の大小が織りなすバランスがとてもリズミカルで、明治時代のアメリカの哲学者であり美術研究家のフェノロサが「凍れる音楽」と評した話は有名です。

ある意味、今の東塔のお姿はレア。大きな覆いに囲まれて、小さい?!と感じるほどの守られている感。
一番上の水煙の大きさは180センチ以上。修復現場公開見学の時にあの水煙の下まで行かせていただいた時に「大きい」と思ったことを忘れていました。

水煙は銅製。塔の最上部を飾る「相輪(そうりん)」の一部で、空中を舞う「飛天」の透かし彫りが施された意匠が東西南北に4枚あり、なんと1枚あたり約100キロの重さのものが一番上にのっているのです。すごい!
今回の修理事業の中で、老朽化が進み安全面においても、創建時から塔を守ってきた水煙はこれからの1300年はもたないとのことで、新たに造られた「平成の水煙」。これからの時代を見守って、新しい薬師寺の歴史になっていく、私たちはいわば証人なのかもしれません。

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*9月4日 午前 東僧坊前から